第4章 (その夜のお話)
そんなことを言われると、
本日また、鉄朗さん初心者に逆戻りの私の顔が
一気に熱を帯びていくのが自分でもわかる。
「顔、真っ赤。かーわい」
「ほんとにそういうこと言わないで。
………せめて電気消してください!」
パジャマはめくり上げられて、
素肌がひやりとした空気に触れる。
それがまた、私の羞恥を増していく。
「後でね」
「後でっていつですか………」
「んーーー?寝る時?」
私の下の方から見上げられる。
その角度と表情も久しぶりで、
思わずドキッとした。
「………ダメです」
「んーーー?なにが?」
半分以上、
上の空な返事が返ってくる。
「ピンクムーン効果ですかね?」
「なに?幸せもたらしてる?」
………その左の口角だけあげる顔、
本当にやめてほしい。
未だにドキドキが止まらなくなる。