第3章 ピンクムーン
「ねぇパパ!おつきさまはおうちなの?!」
あ、また戻った
「あ、で。
お月様キレイだね~って言いながら来たんですけど、
子供ちゃんがお月様にうさぎさんがいるの見つけて。
で、お月様はうさぎさんのおうちなの?です」
「あぁ、なるほど。
子供はすごいことを見つけたなぁ?!
そして大正解!お月様はうさぎさんのお家です!」
我が家のなんでも物知りさんからの正解発表
「やっぱりぃ?!
ママ!やっぱりうさぎさんのおうちだって!」
「子供ちゃん、大正解だったねぇ!すごーい!」
「子供ちゃんすごい?!」
「子供はすごいなぁ。天才だな?!」
さすがパパの子だなぁ?!って
鉄朗さんのデレデレは止まらない
「さぁ、でもとりあえず。帰りましょうか?
ほら子供ちゃん、また自転車乗るよ~」
私の声掛けで、鉄朗さんが乗せようとするんだけど
「えーーーーー?!やだ!子供ちゃん、パパがいい!」
私が抱っこしようとしても
鉄朗さんにしがみついて引き離せない。
「でもほら、自転車乗らねーと帰れないよ?」
「やだやだ!パパがいい!」
「でもなァ」
さっきまであんなに落ち込んでたのに。
やっぱり可笑しい
「子供ちゃん、パパとじてんしゃのりたい!」
「……えぇ」
思わず漏れた。
だって鉄朗さんと子供が一緒に自転車に乗るということは、
私が鉄朗さんの自転車で帰るってことでしょ?
いやいや、無理じゃない?