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【ハイキュー短編】同じ季節を何度でも【黒尾鉄朗】

第3章 ピンクムーン


「子供ちゃん。

ママはね、パパの自転車乗れないの」



「なんでぇ?!」





意味わかんない!!ってものすごい形相でこっちを見てくる。





「ママの足は短いから………」





自虐したけど、悲しくなった。





「ママの足は言う程短くはないけど、

パパより短いからなァ」



「………ニヤニヤしないでください。最低です」





ほんとうに。


ひどい





「でもぉ!!のりたいのぉ!!

やぁーーだぁーーー!!!」





誰に似たんだろう?ってくらい自我が強い





………たぶん私だ。





「名前、俺のチャリいける?」



「死にはしないと思いますけど」



「それは困るから、よそ見しないで安全運転で」



「………はぁ」



「ため息なーーーし!」



「なーーーし!」





二人から指をさされる





「はぁい」





元気が出ない返事はしょうがない。




鉄朗さんが電動自転車にまたがって、


私は鉄朗さんのロードバイクにほぼ飛び乗る。




ちなみに私が飛び乗った代わりに


鉄朗さんの足は窮屈そうに余っている。





「しゅっぱーつ!しんこー!」



「出発進行~!」



「パパちがーう!」



「え?!」



「はっしゃしまーす!だよ!」



「ゴメンゴメン。じゃあ子供、
 
もう一回お願いします」





目の前のやり取りに、思わず笑っちゃう。





「しゅっぱーつ!しんこー!」



「発車しまーす!」



「ママも~!」



「はーい!発車しまーす!」





鉄朗さんのロードは、こげないことはない。




だけど、ほとんど足がつかないから


信号のたびに飛び乗るのに一苦労。







東の空には、まんまるなお月様



お月様は、やっぱりうさぎさんのおうちらしい






前では二人の楽しそうな笑い声







夜のお散歩も、たまにはいいかもしれない。





2021.4.30に書いたお話です

2021年のピンクムーンは4月27日だったようですね!

(2021.7.16)
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