第2章 エイプリルフール
え。てか今から仕事なんですけど。
え、また婚約破棄?
悪夢再来?
意味わかんないし、
もちろんわかりたくもないんですけど。
「エイプリルフール!」
「………あぁ!」
「名前、エイプリルフール、
というかこの遊び?向いてないからもうやめよう。
来年は無理しなくていいから!」
黒尾さんが呆れてる。
ただ、向いていないのはそうかもしれない。
「もう!ややこしすぎます!無理!
はい!一度おしまい!もっかい言ってください!」
「はいはい。名前、気をつけろよ?
今日も無理しすぎずにやりましょう」
そう言いながら手招きをされて、
素直にその後広げられた両腕の中へ。