第2章 エイプリルフール
「えぇっと。んーーーーー。
あ、今日は雨ですね!」
外は快晴
きっと今日も、満開に咲いた桜が綺麗。
「あーーーなるほど。えーっと?
ご飯美味しくないね?」
いや、料理は得意ではない。
そして朝からそんなに手の込んだことできないし。
いや、もっと早く起きればいいんだけど
だけど、それは、ちょっと、別問題っていうか………
「おーい、名前ちゃーん?
エイプリルフール!」
「………あぁ!」
「やめようか?」
一瞬ムッとなった私を見て
黒尾さんが呆れながら笑ってる。
「やめません!けど難しいな………」
「はいはい。えーーーっと?
あ、名前は今日遅くなりそう?」
「えーーっと。遅くなりたいけど、もしかしたら早く帰るかもしれません?」
「今日遅いんだ?」
「いや?」
「え?」
「え?」
お互い何を言っているのかわからなくなった。
「ちょっとストップ。今日遅いの?」
「んーーー、たぶん。でも帰っても黒尾さんいないから、別にいいんですけどね」
黒尾さんが早く帰ってこれるなら一刻も早く帰りたいけど。
家にいてもどうせ一人だし。
………少し前までは
それが普通だったのにな。