第2章 エイプリルフール
最初の4月1日は黒尾さんは福岡へ。
去年の4月1日は、
なぜか別れていた。
「あぁ、そうだった。
でも名前ってエイプリルフールとか好きなんだ?」
「んーーーー。
エイプリルフールというかイベントが好きなんで、
エイプリルフールというイベントも
気づいてしまえば何かしなきゃ!って感じです。
と言ってもここ数年そのまま通り過ぎてたから、何もやってないんですけど」
「あぁ。その理由なら納得。
で?今日は何するの?」
「今からウソつくのに教えると思います?」
「えぇーっと?」
黒尾さんが困ってる。
「黒尾さん!今から嘘の会話をしましょう!」
「え?」
「嘘の会話です!」
「前の言葉から一文字もアップデートされていない気がするのは気のせい?」
「気のせいじゃないですか?」
「もう少し詳細お願いできます?」
さっき、ではあるけど
今日がエイプリルフールだと気づいた。
だけど本当にさっき気づいちゃったし、この後は仕事だし
そしてきっと黒尾さんが帰ってくるのは
また日付が変わった後の可能性がある。
本当はなんかいい感じのウソとかつきたい!けど、
この状況でエイプリルフール初級レベルの私がいい感じのウソを思いつくわけもなく。