第6章 普通なお前の目は、【リヴァイ】
それから女の様子を見ていたが、特に何をする訳でも無く、本当にただ手当てをしているだけだった。
気付けばリヴァイは意識を手放していた。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
スッと目を開け、痛みを堪えながら上半身を起き上がらせる。
そして横を見下ろして、目を細めた。
このアホ面が人を殺せる訳ねぇ。
目をやった先には、昨日手当てをしてもらった女が呑気にスピスピと眠っている。
……………危機感のねぇヤツ。
それにしても今日は良く眠れた…。
伸びをしながらそんな事を考えていたが、とんでもない事を考えたのに気付く。
……俺は得体の知れねぇヤツの前で陽気に寝たのか。
ありえねぇ…。
今まで人の気配が気になり過ぎて人前で寝れた事ねぇのに…。
この少しの間でただの女に俺のペースを崩されている。
リヴァイは再び女を見る。
これらは決してプラスの事じゃない。
だが、マイナスでもない。
一様目の前で寝ている女はリヴァイの命の恩人だ。
あのままだったら恐らく出血多量で死んでいただろう。
女は見た所東洋人で間違いはない。
人攫いから逃れて来たか、元々豚共に飼われてたのを逃げ出したかであろう。
でなければ地下街なんて物騒な場所に東洋人が来るハズはないのだ。
言葉が通じない事は謎だらけだが…。
「面倒なモン拾って来ちまったな…。」
恩人には恩を返さなきゃならないらしい。
普段のリヴァイならそんなもの無視している所だが、生憎、女と会ってから調子が悪いのだ。
それを言い訳にして、リヴァイはまずこのアホ面を起す事にした。