第4章 ぽろぽろ、ぽろぽろ。
この家に来た時の様に、リヴァイに示される方向に歩く。
着いた場所は台所の様な所で、指示されたようにリヴァイを置いてある椅子に下ろした。
リヴァイはすぐに机の上に置いてあったバスケットの中からパンを取り出すと、優浬に押し付けた。
《え?何ですか?》
「ユリ。」
優浬の名前を呼ぶと、リヴァイは食べる様な仕草を見せる。
優浬はわかったのか、パンを一口サイズにちぎり、リヴァイの口の前へと持っていった。
《はい、どうぞ。》
「ちげぇ。」
《あいたっ、》
頭を叩かれた。
てっきり食べさせろと言っているんだと思ったが、違ったようだ。
再びリヴァイが食べる素振りをし、優浬を指差した。
「ユリ、テメェが食うんだ。」
《リヴァイさんが食べるんじゃなくて…?持っとけば良いのかな…。》
「……………。」
完璧に通じていないと判断したリヴァイは、優浬からパンを奪い取り、優浬の口に突っ込んだ。
《うぐっ。》
「食え。」
そこでやっと食べろと言われていたとわかった。
もう少し優しくして欲しかった…。
だが名前しか知らない様な他人が何もしてないのに食べていいんだろうか。
そのことに戸惑い、一様パンを半分にしてリヴァイに差し出すが、
俺のパンが食えねぇのかあぁん?みたいな不良も泣き出しそうな視線を頂いたので直ぐ様引っ込めた。