第1章 1
嬉しそうに、俺の髪へと掌を伸ばして。
抱きしめる緋芽。
「すごいね、皇。」
違うよ。
泳げるよ、俺。
昔から緋芽よりもずっともっと、泳げるよ。
怖いフリして、緋芽を繋いでただけだよ。
なんで無防備なんだろ。
なんでこんなに…………。
「…………っ、皇…ッッ!?」
「しー。静かにして、緋芽ちゃん」
ビキニの上から、胸をペロリと、舐め上げれば。
腕の中で緋芽のからだがピクンと、揺れた。
「水の中でしたことなかったよね、緋芽ちゃん」
「こ、皇…………っ、駄目だってば。見られちゃう」
ビキニを唇で挟んでズラして。
目の前に晒した、綺麗な形と色の、膨らみ。
「皇…、ってば」
「水の中に誘ったの緋芽ちゃんだよ?」
「ち、が…っ、こんなことするためじゃ、な…っ」
目の前の蕾を口へと含めば。
ビクン、とからだを震わせて。
頭ごとぎゅ、としがみつくように抱きつく緋芽。
かわいいなぁ。
大好き。
「緋芽ちゃん、降ろすよ?足上げるから、捕まって」
「え」
水の中へと緋芽を下ろし、爪先たちのまま、右足だけを持ち上げる。
不安定な体勢に慌ててしがみつく緋芽を確認して。
左手で緋芽の下半身の水着の隙間から指先を侵入させた。
「…………こう…っ」
「大丈夫。プールには誰も近付けないよう言ってあるから。呼ぶまで誰も来ないよ」
「…………ッッ」
にこりと微笑んで。
指先を緋芽のなかへと、沈める。
「ふ…………ッッ、んん」
首を振って。
必死に声を抑える緋芽がほんとに愛しくて。
かわいくて。
もっともっと。
気持ち良くしてあげる。
気持ち良く、なって。
緋芽。
俺のこと以外、考えらんないくらい。
俺で頭ん中いっぱいにしてよ。
ねぇ緋芽。
緋芽も俺を、好きになってよ。