第1章 1
けど。
「え…………」
あ、れ?
震える肩を強引に引き寄せてこっちを向かせれば。
顔を真っ赤に染めたままに両腕交差して顔を隠す緋芽ちゃんの、姿。
震えていたのは恐怖、とか、泣いてるのかな、とか。
てっきりそう、思ってたけど。
これ。
この、反応もしかして。
「ひ、めちゃん…………、もしかして、だけど」
ス、て。
手のひらを露出したままのお腹へと滑らせれ、ば。
ピクン、て。
身体は小さな反応を見せる。
「嫌、とかじゃなか、った?」
「〜〜〜〜っっ」
ゴロン、て。
また俺に背中向けるように横向きに小さく小さく身体を丸める、緋芽ちゃん。
「え」
何これ。
何それ。
かわいすぎでしょほんと。
つーかさっきから視界的にもそろそろ限界まぁ脱がしたの俺だけど中途半端に脱ぎっぱなしの水着とかつーかもうこれ下着と一緒じゃね?何がどう違うのかよーわからんしってか、まじで!!
小さく首鳴らすって何その技かわいいかわいいかわいい恥ずかしがってんの?いやもうそれただのフェロモンだからまじ!!
煩悩が支配する頭ん中振り払って。
緋芽ちゃんを跨ぐようにベッドを軋ませた。
「…………乱暴なのとか、強引なの、好きなの?」
また。
小さくこくんて首を鳴らす、小さな小さなお姫さま。
「あ!!でも違う!!誰でもいいとかじゃなくて!!」
やっと隠れるのをやめたお姫さま。
勢いよくこっちへと向き直り、にこりと視線を合わせれば。
事の重大さに今更気付く。
「うん。俺だから、デショ?」