第7章 雨後
薄黒く淀んだ空間に、1人の少年と、呪いの王が対峙していた。
少年こと、虎杖悠仁は、呪いの王である両面宿儺に攻撃を仕掛けるが呆気なく躱され、今現在、尻に敷かれている状況。
「お前はつまらんな」
「……死んでまでてめえと一緒なのかよ、クソが」
「…ここはあの世ではない。俺の生得領域だ」
「……生得…領域?伏黒が言ってたような」
「心の中と言い換えてもいい。つまり俺たちはまだ死んでいない」
「!?」
宿儺は楽しげに口角をつり上げ、話を続ける。
「お前が条件を呑めば、心臓を治し、生き返らせてやる」
虎杖は、自身を踏みつける宿儺を見上げ、顳顬に青筋を立てた。
「エラッソーに!散々イキっといて、結局てめえも死にたくねえんだろ!」
「事情が変わったのだ。近いうちに面白いものが見れる。……それに、手にしたい人間もいるしな」
「手にしたい人間……?」
頭上に疑問符を浮かべる虎杖を一瞥し、宿儺は上機嫌に笑みを象る。
「だ」