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カタルシス【呪術廻戦/R18】

第6章 亀裂


「え・・・、任務?」

曇天が重く唸る中、出かける準備をしている伏黒君と虎杖君に私は呆然と問いかけた。

「ああ、緊急事態らしい」
「こんな急に派遣されることってあるんだな」
「この業界じゃしょっちゅうだ、慣れろ」

何も気にする様子なく会話をする2人を私はただただ不安げに見つめることしかできない。

なんだか、嫌な予感がする。これが何かは分からないけれど。

「・・・危険な任務なの?」

私の問いに、伏黒君はこちらを一瞥する。

「・・・現段階では何とも言えないですね。・・・特級仮想怨霊。その呪胎が発見されてるらしい」
「なんだそれ」
「・・・」

特級・・・。

前に五条さんから、呪霊にはレベルがあると説明された事がある。

「特級って、一番上のクラスだよね、大丈夫なの?」
「・・・まあ、最善は尽くしてきます」
「それじゃ、行ってくんね!」

学生寮の出口に向かう2人の背中を、私はただただ見つめることしか出来なかった。














彼らが任務に向かって、どれくらいの時間が経っただろうか。
外は雨が降り続いている。

静まり返った学生寮で、私はただ外をぼんやりと眺めていた。
真っ黒な空色に、ひとつ、チカッと雷光が微かに光った。



その瞬間、突然身を襲った見えない恐怖心に心臓が大きく脈を打った。



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