第6章 亀裂
「・・・五条先生から話しは聞いてますか?」
「えっ、あ・・・、はい。今日から家入さんが私を預かってくださるって・・・」
そう。昨晩、お仕事から帰って来た五条さんに突然言い渡された内容のことだ。
私は今日から家入さんの所に預けられるらしい。
高専だから、1人で五条さんのマンションで過ごすよりは安全だろうと、家入さんが提案してくれたみたいだ。
でも・・・迎えに来たのは家入さんではなく、黒髪の少年だった。
「・・・えっと、あなたは」
「ああ、すみません。家入さん、今日急用で来れなくなっちまったみたいで。俺が迎えにいくように頼まれたんです」
「そう、だったんですね。・・・私、神崎といいます」
「俺は伏黒恵です」
少年、・・・伏黒君は丁寧に頭を下げる。まじめな子だなあ。