第4章 ※応急処置
依然として、の表情は険しく、呼吸は荒い。
そっと、の頬へ片手を添える。ぴく、との睫毛が揺れた。
「・・・ごじょう・・・・さん?」
の掠れた声が、僕の鼓膜を揺らした。
「、苦しいでしょ。大丈夫?」
力なくは額く。
嘘ばっかり。
この僕の呪力に充てられてるんだ。大丈夫な訳がない
「ねえ、」
「・・・ん?」
「・・・君を救う、なんて名目を盾に、私欲を肥やす僕を・・・君は許してくれる?」
「・・・」
はぼんやりとした表情で僕を見つめる。
「わたしは、・・・この二日間で、たくさん五条さんに救われたの。・・・身体だけじゃない。五条さんは優しさで、私の心も救ってくれたんだよ」
それは違う。僕のこれは多分、優しさなんかじゃない。
「わたしに出来る事があれば、・・・恩返しさせてほしいの」
は優しい瞳で僕を見つめる。
・・・ああ、僕はきっと。一目見たときから君のことを──…
僕はそっと、の両頬へ諸手を添えた。
そのまま、ゆっくりと上体を屈める。
距離が近まる中、は熱に浮かされた表情で僕を見上げる。きっと、意識は朦朧としていて夢現なはずだ。
「ごめんね、。これは、夢だから」
そんなずるい言葉を吐き捨てた後、僕はゆっくりとの熱い唇を塞いだ。