第4章 ※応急処置
「・・・これ、本当にただの副作用?」
ベッドの上で、呼吸を乱すを見下ろした。
日隠しを外して、彼女をよく視る。
「・・・身体から呪力が、漏れてるのか?」
薬の中の呪力の量が多すぎたのか?それとも、僕の呪力がには強すぎた?
様々な要因を考えたとしても、僕には現状が分かるだけで、服薬結果の対処方は硝子の方が詳しいだろう。
僕は躊躇いなく硝子へ電話を掛ける。きっとあいつはこの時間でも起きてる。
『もしもし、なんだ五じょ───… 』
「硝子、の様子が変なんだ」
『・・・副作用とは別か?』
僕は硝子に現状を説明する。電話越しに硝子は考えている様だ。
『多分、お前の見解は合ってる。恐らく、もう少し薬内の呪力量を減らす必要があるな』
さらに、これだからお前の血で作るか迷ったんだ、と硝子の小言が聞こえる。
「・・・いや、これからも使う血は僕のでいい。とりあえず、また後日取りに来るから、呪力の量少なめにして作り直しておいて」
『・・・はあ、分かったよ。お前の執着も厄介だな』
「それよりも、何か応急処置はないの」
僕の問いに、硝子はしばらく黙り込んだ。
「・・・ねえ」
『・・・お前もなんとなく検討がついてるんじゃないのか 』
「・・・」
『今、神崎の中でお前の呪力が摂取過剰になっている。神崎の中にある呪力をお前の中に戻さなければならない 』
「・・・うん」
『血液を抜いてその血をお前が飲むのが一番早いが、怪我をさせたくなければ、唾液などの体液でもいい。・・・何が言いたいか、分かるな? 』
「・・・」
『血液が循環し、薬の効果が切れるのを待つのも手だが、・・・まあ、後悔しない方法を選べ』
そう言って、硝子の電話は切れた。
恐らく、漏れ出る呪力の量的に血を出さなければならない程の緊急性はない。
しかし、薬の効果が切れるのを待つには、多いといったところか。
が眠るベッドの縁に腰を掛ける。
ああ、本当に嫌気がさす。
この現状に、僅かながらにでも喜悦を感じている自分自身に。
どうやら僕は、思った以上に君のことを気に入っているらしい。