第2章 君の事
「は今、呪霊に襲われやすい体質になってる。今、僕の知り合いの医者が頓服薬を作ってくれてるから、明日からそれを飲んでみて、暫く様子見かな」
「な・・・るほど、」
は僕の話を理解しようと懸命に頭を回転させている。
可愛い。
「まあとにかく、僕の傍にいれば安全だから。確実に安全が確保されるまでは一緒に住もうか」
「わ・・・かりました」
「ふふ、僕紳士だから襲ったりしないし安心して」
「な・・・!」
僕の揶揄には顔を赤く染める。予想以上の反応に、僕まで目を見開いてしまった。
「へえ、意外とその辺耐性無いんだね。もしかして未経験?」
「〜〜っ!うるさいです!」
顔を真っ赤にして怒鳴る。正直そんな顔して怒られても、全く怖くない。それどころか、可愛くて仕方がない。
まあ、僕忙しいから夜くらいしか此処に帰れないし、その辺の性欲処理も間に合ってるからこの子に欲情するなんて事は無───…
「・・・だれにも、いわないで」
「へ?」
は真っ赤な顔を両手で隠しながら、僕に小さな声で懇願する。
「経験ないってこと・・・、誰にも言わないで」
「・・・」
これは驚いた。本当に未経験とは。いつも硝子達に、デリカシーがないと怒られていた理由が、ようやく今わかった気がする。
言わないでも何も、一体誰に口外するというんだか。色々ツッコミたい部分は多々あるが、とにかく恥じらうその姿が思った以上に可愛い。
前言撤回。
これは、意外と耐えなければならない日々が続きそうな気がしてきた。
「・・・ん、勿論。僕と君だけの秘密ね」