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カタルシス【呪術廻戦/R18】

第2章 君の事


「たっだいま〜。〜、いる?ちょっと荷物取りに来てほしいんだけど」

玄関から居間に向かって声を掛けると、奥の方からパタパタと小さな足音がこちらへ向かってくる。

「おかえりなさい、五条さ・・・え、何ですか。その大荷物」
「ん?何って、の服だけど」
「えっ」
「ずっとその服のままって訳にはいかないでしょ」

そう。は昨晩、硝子に着替えさせられていた病衣のままだった。

「でも・・・こんなに沢山買ってきてくれたんですか」
「だって、がどんな服好きなのか分からなかったし。まあサイズは合ってると思うから好きなの自由に着なね」

は紙袋に入った大量の服に視線を落とし、呆然としている。

「あ、の・・・時間は掛かると思うんですけど、必ずお金はお返しします」
「は?」

思わぬ言葉に、僕は間の抜けた声が出る。

「いや、僕が勝手にやったことだし、お金なんていらないよ。それに女の子にたかる程、僕はお金に困ってないし」
「でも・・・」

それでも食い下がるの薄い唇に、僕は人差し指を軽く押し当てた。

「は何も気にしなくて良いんだよ」
「・・・」

僕の押しに負けてしまったのか、は渋々と了承すると、ありがとうございます。と頭を下げた。

「それと、にはしばらく僕と一緒に過ごして貰うから」
「え、」
「なに、嫌だ?僕傷ついちゃう〜」
「あ・・・、嫌とかそんなんじゃ・・・」
「なあんて、冗談だよ。確かに、急に一緒に過ごすなんて言われたら驚くよね」

驚いた様な表情を浮かべてはいるが、から負の感情は感じ取られず、心のどこかで僕は安堵した。


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