第9章 交わされる獣愛*
彼自体を受け入れるのはいい。
けれどこんな形は私たちが今まで作ってきた関係性とはまるで真逆の様なものに思った。
「おれはどうしたって半分は獣なんだよ。 他の雄の匂いさせてどうなるかなんてわかってるでしょ?」
だからそれは誤解なのだとさっき言ったのに。
そんな理屈なんか通じない彼はまるで異質で。 そう、 高遠さんに手を上げたあの時に似てる。
『真弥が笑ってくれるのが嬉しかったよ』
そう言って私を諭した琥牙。
自分よりも私を優先に考えてくれる。
拒む私の体を彼がその力で開かせる。
そうしたらなにかが壊れてしまう気がした。
「あ、ぁあ……ッああ、…く」
「おれの周りってそういう雌の辛そうな声を雄は余計に喜ぶみたい。 そんなの、最低だよね」
そんな事を感情の無い声で耳元で呟いてくる。
乾いた秘裂がやっとその太い尖頭を呑んで、あとは元から若干潤っている内部をぎちぎちと拡げて進んでくる。
乱されたシーツを私の足先が無意味に巻き込みそれでも苦痛にまた深い皺をきざむ。
「や…ふ、っんん……うッ」
「……真弥が痛い位に拒絶してるの分かる」
「や……抜い、てっ」
ぼろっと涙を流してしまった私を見ても琥牙はそれを止めようとしなかった。