第9章 交わされる獣愛*
熱のせいなのか肌が過敏になり過ぎていて、触れられる箇所がピリピリと痛む。
「お願い……待っ、て」
若干朦朧とした頭で紡ぐ言葉は余りにも無力。
一方体力を完全に取り戻した琥牙はもう我慢が限界といった様子だった。
それにしてもいつになく彼は強引で、私が戸惑いを隠せないのは確か。
それに気を取られて忘れていたけど今朝の電車での事が頭にひらめいた。
「せめて、優し……く」
「無理だよ」
そう短くだけ答える彼はやはり気付いてたんだろう。
「琥牙、違うよ。 何も無い。 今朝は電車が混んでて……体がくっついてしまっただけで」
荒い息を吐きながら私の下着を乱暴に引き下ろす。
刹那の瞬間にまだ触れられてもないのに狙いを定められてる事を理解した。
好きな人に犯されてしまうのだろうか。
「や……やだっ」
こんな風に気持ちも体調も無視されて?
「んッ!!」
彼の先が押し付けられて私のやわな粘膜がひきつってるのが分かる。
もちろんそこは濡れてなんかない。
「痛っ、や。 やあっ!」
「……真弥は分かってない」
腰を捻ってそこから逃げ出そうとする私の下半身に体重をかけてくる。
せめてもの抵抗で私は下腹部に力を入れてそれを拒んだ。