第9章 交わされる獣愛*
「アぁっ、やっ…やあっ!」
ギシギシと音を立てて軋むベッド。
まるで性に目覚めたばかりの男がただ自分の欲望をぶつけるだけの動き。
それなのに、浮かされたみたいに繰り返される律動はそれでも私から思考を奪う。
「……あ…う……あぁっ」
傷付けないように私を守ろうとして滲み出る体液は、私も持ってるちっぽけな動物の本能。
本当は抗いたかった。
彼に絡みついてまで迎え入れようとするこの体を疎ましく思った。
そしてこんな風に慣らされるのも。
きつくって、体を逸らす。
はだけた私の肩に彼の唇が這う。
そんなつもりも無いのに喉元から漏れてしまう吐息混じりに媚びた自分の声。
「…ぁあッあ……あぁ、っはぁ…ッ」
さっきまでひりつく内部を彷徨うみたいに動いてた体内の異物。
奥を打って送られてきた先端はすぐにまた別れを告げるように引き抜かれ、再び力強く送り込まれてくる。
そうやっているうちにより大きく深く内部で猛る雄の器官は今は私を犯してるとは言い難い。
「んんっ……や、ぁあ、そこ……やあッ」
その快感がダイレクトに口から吐き出される。
それらが摩擦のたびに溢れる愛液と相まって例えようの無い淫靡な音の旋律を紡いでいく。
間に混ざるのは私に与えられる一瞬の休息に漏れる彼の荒々しい吐息。