第38章 おねだりは露天風呂で*
「っこ……琥牙さん、琥牙、さん」
「ん………?」
汗のひとつもかいてない、涼しい顔で、これまた涼し気な瞳を下に落とし彼がなに? と問いかけてくる。
「あの、ちょっと。 休ま、せて?」
「え? だってまだ」
「二回もしたら、一応は治まるんじゃないの? ……大体、私お風呂で……結構ダメージ受けてた、し」
「ダメージってそんな、優しくしてるのに」
……それはそうなんだけども。
あれからお風呂から琥牙の部屋に戻り、早速獣のように襲われるのかと思いきや。
先般の私の反応に彼は味をしめたのか、今回の私は、この上なくねちっこく責められ続けてしまった。
焦らされてはゆるゆるとなぶられ、もう四時間ぐらいこうしてる次第で。
でもこれ、ある意味、激しいのより体力消耗する。
体の力も入りっぱなしだし、せっかくお風呂に入ったというのに、汗やらなにやらで全く意味を成してない。
「うーん……あ、そうか。 今日は色々大変だったからね」
「ご、ごめんなさい……?」
「いいよ。 ふにゃふにゃなって呂律回んない真弥、凄くかわいかったし。 おれの気持ち的に大満足」
そんな恥ずかしい言葉をおでこへの口付けと共に落として、ようやく彼が私から離れてくれた。
そう思ったのに、私の後ろに回った彼がまたずるる…と自らを埋めてきた。
「…ぁあっ!?」
なんの抵抗もなしに柔らかく受け止めた私のそこがまた拡げられている。
「琥……あ、あの…んぅ」
「このままで寝よ?」
「寝っ…?」
「ん。 くっついたまま。 動かさないから」
そう言いながら私の頭の隙間に腕を入れ、後ろからぴったりと重なる。
確かに背中もあったかいしお腹の下に添えられてる手とか、私の髪に顔を埋めてる琥牙にも安心感はあるけども。
だけどその安心を凌駕する内側の存在感。
ね、寝れるのものなの? これで?