第38章 おねだりは露天風呂で*

「そうなの？ でも、うん。 たぶん、そんな感じ。 可愛すぎて心拍数上がりっぱなし」

「ふぁ」


一旦、花芽が戒めから解かれた感覚がしたので、息を吐きかけて、それをまた呑み込んだ。


「柔らかいね。 ここ、もう気持ちよくなってる？」


片足の膝の裏を支えられたと思ったら、秘裂を潜った中指が膣口に触れる。
そのあとに、薬指と一緒にそれがゆっくりと中へと消えていくのが目に入った。


「あぁんっ」


ビクリと体を震わせて思わず声が出てしまったけど、彼は何も言わない。

鈎状に曲げられたそれらが、内部の性感帯を迷わず見つけて、くるくる弧を描きながら、細かな動きで粘膜を撫でていく。


「それっ……だめぇ……ッ…」


小さな快楽の火花をいくつも散らされたみたい。 点けられるたびに腰が浮きそうになって、そのたびに私の片足の、膝が押さえ付けられる。

実際、お湯の浮力のせいで容易にお尻が上がり、そしたらますますその部分を琥牙の指に強く擦り付けることになる。


「クリトリス触ってたら、中のこれも腫れてくるからすぐ分かるよね……大人しくして？ ちゃんと両方してあげるから」


余った彼の親指が肉芽の根元の辺りに触れて、そこは言うまでもなく、直接的な刺激を運んでくる。

芯を持ったそれを軽く擦りあげられ、ズキンと鋭い快楽に膝が揺れた。
気持ちいい。 否応なしに反応する体と声を我慢して、噛んでる指の痛覚さえも忘れるほどに。


「ふんぅ……ッんぅんッン…んんくンンンッ」

「これ、お仕置になってるのかな。 ご褒美みたいだよね…嬉しそうに締め付けてるし」


絶え間なく私を責める彼の動きはあくまでも優しい。
同じ力で、同じタイミングで、ただそれが自分の一番弱いところなだけ。