第38章 おねだりは露天風呂で*
「いや? 真弥のヌルヌル触られるの」
肌とお湯との間に張られた愛液の膜。
そんなささやかな抵抗に、彼の指は浸されてるらしい。
「だって……あん……ぁああ……はあ」
進む意思の無さそうな指に耐えかねて、少しだけ腰を前に移動させると秘裂の間にぷぷ、とそれが浅く埋まる。
上下に撫で続ける指に絡んだ愛液がお湯に溶けて、ようやく与えてくれそうな快楽に、私が小さく喘ぎ続けた。
「でも、どうしようかな? こんなとこで大っきい声出したら、みんなに気付かれちゃうから」
そう言って、気持ちよかった指からふと動きが奪われた。
「やっ…止めな……で」
「……我慢出来る?」
そこから醒めたくなくって、続けてくれるのなら今私はきっと、大概の琥牙の言いつけをきいてしまうに違いない。
「んッ……うんっ」
頷きながら彼の首元に頭を埋めて甘えると、喉がこくりと動いたのが見えた。
秘裂を左右に割って、その両側をまたきゅっとすぼめられ、思わず指を自分の噛んだ。
「そんなかわいく『お願い』されるとね」
「んうんッ…ンんっん……」
完全に挟まれてしまった花芯。 それをくにくにと強弱をつけた自らの肉で圧迫されて、噛んでる指を外すことが出来ない。
「ゾクゾクして困るんだよ」
いきり立ってる彼自身が窮屈そうにピクピク動く。
そしてそれに呼応するみたいに、私の内部もうねるみたいに疼いて益々熱を持つ。
「あ、あの……気になってたんだけど」
「なに?」
「琥牙って、いっつも……かわいいとか言うのなに? 私なんて、デカいし…あんまり、そういうのは、当てはまらないと思うんだけど」
思えば最初っから、私を可愛い連呼するのは琥牙のクセだ。
外見も性格も、程遠いのになあ。 なんて、そんな時私はいつも不思議に思っていた。
「んー、なんだろ。 褒めたいって意図はないから、確かにそれとは少し意味が違うかのなあ。 そそる……琴線に触れる、に近いような?」
「私が琥牙にドキドキする時みたいな?」
「するの?」
「してるよ……」