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オオカミ少年とおねえさん

第32章 Plan - Do



冷えた肩を両腕で抱きしめて、ベランダのガラス戸をカラカラと閉めてから、ほう、と甘いとも困ったともいえるようなため息をついた。

まだ今晩の事後の名残りも消えたわけじゃない。
こんな夜は特に、彼に普通に甘えながらくっついて眠りたいんだけどな。
引き摺って発酵して膨らみ続ける心を、それを持て余してしまう体を、私に気付かせたのも彼のせいなのに。

たとえ成長なんかしなくっても、目に見えるほどは分からなくっても、あの呑気な狼はこんな私の変化を分かってくれてるんだろうか?


………それは置いておいても。


マグカップに残っていたすっかり冷めたお茶をこくりと飲み、私は今晩の彼らの話を考えてみた。


色々謎はあれどもとにかく、いくら琥牙たちからとはいえ、個人的には、他人が見聞きしたものだけじゃどうにもないと思っていた。

卓さんに会う………のは、いくら何でも無鉄砲かも知れない。


「それでもなんかこう、引っかかるのよね」


察しの良過ぎる彼ら。

逆にそのせいで、大事なことを見過ごしてやいないのだろうか。
特に私のこととなると視野狭窄気味になる琥牙とか。


キッチンのカウンターに置いてある時計を視線を移すと、もう午前一時を回っていたことに気付いた。


明日はまだ木曜だから、とにかく寝なきゃね。

冷たいベッドを恨めしく思いつつモソモソとベッドに潜り込み、考えごとは脇に避け、無理やり気味に目を閉じる。




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