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オオカミ少年とおねえさん

第32章 Plan - Do



立ち上がった私に、雪牙くんもたじろぎつつも、なにか口を挟もうとしてる様子だったけど止まらなかった。


「私は琥牙と一緒に生きたいの! 琥牙の世界に関わりたいの。 私が決めたんだよ。 いい? なんと言われようが、死んでも譲らないんだから!!」


彼に向ってきつく言い放ち、手のひらを胸に当てて全力で琥牙を見返した。

だって、私が離したらきっと終わりだ。

その後、断ろうが嫌がろうが無駄だと言い切った私に、軽い笑みを洩らした伯斗さんが視界に入る。


「に、兄ちゃん。 また怒ると」


無言のまま、脱力したようにその場にしゃがみ込んだ兄に、雪牙くんが傍に寄りおそるおそる声をかけた。


「…………い」

「え?」

「ムリ。 絶対無理。 滅茶苦茶にしたい。 犯り続けていっそ頭から食いたいこの生き物」


顔を伏せてボソボソ独りごちる彼の、なんの琴線に触れたのか。 ひえっと声を上げそうに後ずさる私と再び真っ赤に固まる雪牙くん。


「琥牙様。 勇ましくもいじらしい真弥どのを見て発情するのは分かりますが、だから若者の前で過激過ぎますって」


そんな伯斗さんのやや恥ずかしい指摘に否定も返さず、あーくっそ。 およそ彼に似つかわしくなく、苛立たしげに罵りを繰り返す琥牙だった。




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