第31章 役立たずな言葉と饒舌な体*
細いひと息をついた彼がそんな風に動きながら、私の耳に硬質な音を落としていく。
「さっきの続き………言っていいよ。 こんな漏らしたみたいに濡れて自分から腰振ってた? 今みたいに?」
「…………っちが」
他でこんなになったことなんて無い。
けれどこんな時にも。
またいつものように、知らずに求めてしまっていた自分に気付いて、羞恥心が否定に勝る。
「それで、その辺の男のコレ突っ込まれたら、そうやって嬉しそうにギュウギュウ締め付けんの?」
耳に吹きかけられる声が直接心を刺してくる。
そうじゃない。
だって深いところを小刻みに責めてくる、そんな風に動かれたら。
心とは裏腹に勝手に体が反応する、それはまるで私はそうなのだと彼に伝えてるようで。
「あ、いやっ…!」
震えながら身動ぎをしようとした私の体を琥牙がぐっと引き寄せてくる。
ぐんっ。 また奥を打たれた衝撃で、背中が弓なりに沿った。
「こ…牙。 やあ…ッ…止め…違、う」
「おれにも同じことして欲しい? 他の女とのセックスに馬鹿みたいに溺れて、こないだみたいに一晩中抱いていい?」
考えたことなんてなかった。
彼にはずっとずっと私だけなのだと。