第31章 役立たずな言葉と饒舌な体*
もどかしくて、無言でそれに耐えていると、体の角度に沿った上下の動きに変わった。
そのせいでなんの抵抗もなく膣奥を押し上げた剛直に小さく悲鳴をあげた。
体内を穿たれる、そのたびに彼の胸に爪を立て、喉を晒して喘ぐ。
「あぐっ、ひあっ! ぅっ…っ 」
溢れたらもう下に落ちるしか行き場のない愛液が、混ざり合う瞬間に秘裂の隙間からそのまま垂れて、ぱたぱたと床に滴ってく。
「あっや、いや! こ…牙…も、しない、でっ…」
感じたいわけじゃない。
刹那の行為に流されて、自分の不安や臆病さを誤魔化すためでもなかった。
「勝手だね。 ………真弥が一番おれを知ってるくせに」
そうなの?
本当に、そうなの?
そう聞きたかったけど、絞り出される嬌声の他は、意味のある言葉が出なかった。
首筋にぬるると這っては、繰り返し押し付けられる生暖かな唇───────その丁寧で緩やかな口付けは、体を突き上げるそれとは対照的過ぎる。
「んあっ! あぁっう…はぁんッ…! ん! ん、あん」
その予兆さえ気付けないほど完全に翻弄されて、腟内にぐぷっと放たれた体液。
ああ、出されてる──────────…
自分の入り口が名残惜しげにひくひく閉じたり開いたりしてるのが分かる。
内に巻き込まれた襞が弱々しい力で彼に巻き付いていた。
「…ん…っ」
衰えない塊が質量を増やして、弧を描くようにそこを再びグイグイ広げてく。
ひりつく内部が波打って、燻った火種をかき混ぜられるよう。