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オオカミ少年とおねえさん

第31章 役立たずな言葉と饒舌な体*



私の上着をはだけて、下に着ていたTシャツを彼が邪魔そうにたくし上げた時に、ピピッ、と生地がほつれる音がした。

それに一瞬躊躇っただけで、乳房の脇に歯を立てられたと思ったら、薄布を襟元から裂かれる音と一緒に空に端切れが舞う。

一気にずり上げられた下着からこぼれた肌に、膨らみのべつもなく彼の口内の器官が襲った。

吐く息の気配のすぐあとで、皮膚を刺される感覚。


「つッ」



明かりの下で肌を晒したからといって、今自分の体を手で覆っても、振り払われてしまいそうだった。

琥牙が苛立ってるのが私にも分かる。

私の足の爪先が頼りなげに床をさまよっていた。
そんなことを気にも留めず、回した片腕で背中を抱いたまま、彼が自分の目線で私を愛し始める。


手を添えて寄せられた胸の頂きに押し付けられる舌と、既にその周りにいくつも滲んで散った、花びらみたいな紅い跡。
胸の先にもそんな痕を付けるのを試みようとしているのか、歯で囲いながらきつく吸う。


「んン…ッ」


そうされながら───────そんな光景をどこか他人事のように視界におさめながら、私はなぜこうしようとしたのかと自らに問いかけていた。


きゅっと寄せた眉の下で、少しだけ色素の薄い、長く揃えられた睫毛が私の胸の谷間を移動していた。
その間も赤く勃ち上がった乳頭を指先が弄び続ける。



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