第26章 狼の里にて 後編*
それなら構わないんじゃないか。
悪魔の囁きとも思える誘惑が再び頭を掠めた。
腰の辺りを爪で軽く掻かれ、それだけで身が震える。
浮かぶ涙は何のため?
単純な抗いようのない快楽?
そんな自分に対する罪悪感?
ああ、でも。
脚を擦り合わせる事で表面の疼きはなんとかやり過ごせる。
けれど中の方は無理だった。
触って掻き回して欲しい。
指でも、男のソレでも。
何度か唇を噛み締めて、むず痒さがとうとう我慢出来なくなり勝手に喉から出た音が意味のある言葉になった。
「さ、わっ……て……」
ぐちゅりと濁音を含ませて捩じ込まれた手の先が、自分でも分かる程の愛液をねっとりと絡ませている。
その合間に指が割る。
「あっ…ひあっ…ぁっあ」
どうやって動いて触られてるのかがはっきりと分かる。
それは自分がその事しか考えられないから。
それでも表面をぬるぬる軽く触れてくるだけの動きはもどかしく、何度か自ら手をやろうとして、それだけはと躊躇しては留まった。
「グチョグチョ。 あんたってここの襞が厚いんだな。 だから俺たちとしても平気なのか」
耳の近くで話されても、もう遠くにいるみたいで頭に入ってこない。
何度も秘裂の間を抜き差しされてたそれがもっと深くに入り込んできた時。
「ひっ!…あッっうぁっ…あ!」
それは思っていたものを遥かに上回る快感だった。
「……気持ちいいか」
内側の膜を指の腹、それから曲げられた関節の角で強めに擦られるその触感が膣、それから子宮全体へとぶわっと広がり、直接脳に恍惚とした刺激を送ってくる。
反射的にその部分に力を入れると、彼の指の形に吸い付いて、生き物みたいにうごめいてるのが解る。
胸もじんじんして、すごく気持ちいい。
少し横に角度を変えた彼の手首が上向きに回転し、腟内の上の方にも隙間のないよう、愛液と媚薬が混ざった淫液を丹念に塗り込んでくる。
もう何も考えられなかった。
気持ちいい。
気持ちいい。
気持ちいい。