第26章 狼の里にて 後編*

体から離れた手が下腹に回り、今度はぬるっとショーツの隙間に滑り、突然で思わずきゃっ、と声を上げてしまった。


「ここにもちゃんと馴染ませてやるよ」


「………い、いや…嫌」


そこで否定の言葉が出てしまったのは、先ほどとはまた理由が異なった。

今は触れられてもない胸が、じんと熱を持ち始めているのに気付いたからだ。


「そう、その調子。 ちゃんと嫌がれよ？ うちの里特製の媚薬を塗りたくられてもな」


媚薬？


「……ンっやっ……待っ」


音がする位にぐちゅと塗られてから、掻き回される手つきは粗雑で、手のひら、それから指先や関節が私の足の間のあらゆる所に触れてくる。


「止め……て、痛っ…」


その苦痛に顔を歪める。
前も、後ろにまでぐりっと浅く挿入されて、突起を無遠慮に潰され、薄い粘膜を嬲る。

ただでさえ敏感な部分をそんな風に扱われて、それを庇うのにすっかり気を取られてると、きゅっと胸の先をつままれた。


「ひッう！」


痺れていた乳首に刺激を与えられ、体が大きく反る。

塗られた薬のせいで？

まだ下も触られている。
ぐちぐちと音を立てる、それが『どちら』のせいなのか分からなくなった。

痛みも忘れて性感帯が小さな胸の先に集まって、凝縮されたみたいだ。


「へえ、ちゃんと女らしくなるんだなコレ。 ますますエロいわ」


どこか愉しそうな声音。
そこがどんな風になってるかなんて見たくない。

それなのに、ショーツから抜かれた手も誘われるようにもう片方の頂きを弄び始めた。


「ひ、卑怯……者…」


こんな物を使わないと女も抱けないの？
そう言いたかった。
こんな物で自分自身が、何ともないんなら。

強弱をつけて刺激を与えられるたびに、否応なしに全身にビリッと電気が走った。


「コリコリに尖ってんぞ。 さっきの勢いはどうした？」


耳許で煽られてなにか言おうとするけども、強過ぎる。
片手を口に当て、押して出そうな声に蓋をした。

痛いのか気持ちがいいのか、どっち？