第24章 狼少年を追え*
「……伯斗、私の息子は精通してたよな?」
「ええ、とっくに」
琥牙が馬鹿にされてるのだろうか?
そうなると、ムキになってしまうのはもはや私の習性になってしまったのかもしれない。
「そんな事、ないです。 琥牙は多分その辺の成人男性よりいいモノ持ってますし! しかも一度した位では変わんないですし!」
「それでは、あれの機能には何ら問題ないと?」
もちろんです! そう言う私に朱璃様と伯斗さんがまた目を合わせる。
そののちに朱璃様が目を閉じてなにかを考え込み、伯斗さんが左右に首を振る。
「真弥も罪作りな女よのう……」
「………琥牙様もお可哀相に」
ほそほそとそんな呟きが両者から漏れる。
あの、なにか?
「あのなあ、真弥。 人狼は通常一度の射精では収まらんのだよ」
「昔は狼の名残が多く残っていたようでしたので、一度でも済ませられたみたいですね」
彼らの性というもの。
本来、狼の射精は二度あるらしい。
厳密にいうと一度目はあまり精液を含まない前立腺液というものの射精。
二度目が本当のそれで、その際に本来の役割を果たし、強い快感を得る事も出来るのだと。
「というわけで、人狼は少なくとも二度、精力の強い狼の資質で通常は数度の射精を行う」
二回一セットという事だろうか。
思い起こせば、ほぼほぼ一度で私が満足して終わってたような。
それで充分過ぎたので何も考えてなかった。
「……それでは、私は琥牙にいつも我慢させていたのですかね?」
「中途半端にお預けを食らうようなもんだなあ」
「琥牙様は元々お優しいですし、真弥どのをとても大切にされてますからねえ」
ちょっと、いや、かなりショックだった。
彼がいつも私との行為で実はいってなかったのだとは。
思い起こすと一度で萎えないのは当たり前で、言われてみれば終わっても彼はどこか物足りなさそうだったような気もする。