第21章 望まない変化の襲来
外見で異なるのは金の瞳、その色に近い亜麻というか、白金の髪。
琥牙に似たその人の体が私の足の間を割ってくる。
「い、いやっ……」
「こっちの方がまだ長く楽しめんだろ」
「……真弥っ!!」
雪牙くんの声にビクッと反応して動きを止めた琥牙に、バルコニーから室内に飛び込み翔ける黒い影が勢い激しく衝突した。
「グぁッ─────」
反動で弾けてどさりと床に倒れた琥牙と、着地した後に息を乱して室内を見回したのは伯斗さんだった。
「………悲鳴が聞こえて…何事です? 琥牙様が無理矢理こんな……雪牙様!?」
雪牙くんの元に駆け寄る伯斗さん。
「真弥………」
ひと言そう呟いて、安堵したように雪牙くんがその場で瞼を落とした。
「真弥どの。 ……これは、一体」
悪夢を見ていたようだった。
歯がカチカチと鳴って震えて話せなかった。
『おれがおれで無くなる』
ただその言葉たちが脳内を反芻していた。