• テキストサイズ

オオカミ少年とおねえさん

第21章 望まない変化の襲来



外見で異なるのは金の瞳、その色に近い亜麻というか、白金の髪。

琥牙に似たその人の体が私の足の間を割ってくる。


「い、いやっ……」

「こっちの方がまだ長く楽しめんだろ」


「……真弥っ!!」


雪牙くんの声にビクッと反応して動きを止めた琥牙に、バルコニーから室内に飛び込み翔ける黒い影が勢い激しく衝突した。


「グぁッ─────」


反動で弾けてどさりと床に倒れた琥牙と、着地した後に息を乱して室内を見回したのは伯斗さんだった。


「………悲鳴が聞こえて…何事です? 琥牙様が無理矢理こんな……雪牙様!?」


雪牙くんの元に駆け寄る伯斗さん。


「真弥………」


ひと言そう呟いて、安堵したように雪牙くんがその場で瞼を落とした。


「真弥どの。 ……これは、一体」


悪夢を見ていたようだった。
歯がカチカチと鳴って震えて話せなかった。



『おれがおれで無くなる』


ただその言葉たちが脳内を反芻していた。


/ 506ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp