第21章 望まない変化の襲来
いきなりスカートの中に大きな体をねじ込まれて、床に倒され派手にそれがめくれる。
迷いもなく鼻先をショーツに押し付けた琥牙はそのまま長い舌で股の付け根から生地を乱暴に擦り上げた。
「ナリの割にキツそうだな」
突然で混乱した。
布地に押し付けられた舌が強い力で私のその部分を探り始める。
本能的に背筋に冷たいものが走った。
「琥牙っ!? …やめ、ダメだよ!! そんな姿、で雪牙くんも、見て……いやっ」
足をばたつかせ、反射的に頭や肩を思いっきり押したがビクともしない。
「……止めろっ!!」
制止の声と共に彼の肩越しに見えたのは、狼に姿を変えた雪牙くん。
「誰か知んねえけどオマエ、兄ちゃんのつがいに手ぇ出すんじゃねえよ」
ピタリと動きを止めた琥牙がそのままの体勢で言う。
「………俺に逆らうって意味分かってんの?」
「……………」
低い姿勢を保って彼を見据える雪牙くんは完全に臨戦態勢。
こんな時に姿まで変えているのを見たのは初めてだった。
それ程まで怒っているのか、警戒しているのかは分からない。
私から顔を外した琥牙がそんな雪牙くんを横目で見る。
「力の差は歴然なのに、その姿で上位の交尾の邪魔するって、ガキだから許されるとでも?」
歯牙にもかけない、そんな上からの冷たい声。
「こ、琥牙……? 何、を」
それは弟なんだよ。
琥牙の事が大好きな雪牙くんだよ。