第17章 熱を出した少女
「ねぇ…ちゃん…おねぇ…ちゃん」
小さい蓮琉が泣いている
ずっとずっと
師匠の家に引き取られた時だ
蓮琉「怖い…怖いよぉ」
『蓮琉…大丈夫だから。俺がついてる』
何度そうやって蓮琉を抱きしめ落ち着かせたか
苦手な物が多い蓮琉
戦争孤児で辛いこともあっただろう
『俺が守ってやるから』
蓮琉「ほんと…?」
『俺は約束は守る』
幼い蓮琉は眠れないと俺の布団に潜り込んでは、色々な話を聞きたがった
時には歌も
蓮琉が安心して眠ると、俺は外へ出ては暴れた
客観的に見るとちぐはぐなのは分かっている
それでも俺の中にある怒りや憎しみはこうやって凌ぐしかなかった