第17章 熱を出した少女
寂雷「熱を測るために看護師さんが来るよ」
『そう…ですか…。一つだけ…入る時はノックと声掛けだけお願いします』
寂雷「分かったよ」
寂雷が頷くとは申し訳なさそうに微笑んだ
─────
───
─
熱を出すと思い出す
悪夢のような日々を
男共に良いように使われた体
蓮琉だけでも助けようと奮闘した
『……はぁ』
息が詰まる
痛くない古傷が痛む
呼吸が出来ない
縛られた体では首を押さえることは出来ない
『何が…大事な奴らを守るだよ…』
夢と現実がごちゃ混ぜになって一郎達を傷付けた
流れ落ちる涙に気付かないまま、安定剤と睡眠剤で意識を飛ばした