第9章 女バレしました
カランッと氷の音がやけに大きく響く
『辛いか、辛くねぇかって言われたら、そりゃ辛い時もあるさ。蓮琉を拾わなければって思った時もあった。もっと助けられる人達がいたかもしれねぇって』
あまりに無力だった
戦争の前では何も出来ない
死にゆく人々を見ては、胸が張り裂けそうだった
『そんな時にある軍人がいたんだ。名前も忘れちまったけど…その軍人が俺に言ったんだよ。"面倒を見ると決めたならやり遂げろ。中途半端に投げ出すな"って。蓮琉って名前も俺の名前もその軍人付けてくれた。もう死んじまったがな…』
何事にも逃げ出さずにやり遂げるの原動力はそこにあった