第9章 女バレしました
『そうだな…。あの時は必死で、救えなかった奴らも大勢いた。崩れゆく町、逃げろって言ってくれた人、助けてと叫ぶ人、泣き叫ぶ人達。生きろって言いながら居なくなってしまった人達。奪っていくのは人。でも与えてくれるのも人だった。俺は無力だった。何も出来なかった。もう無理だって諦めた時に、蓮琉を見つけた。まだ息のある子供だった。もし生かされたことに意味があるなら蓮琉だけは助けようと思ったんだ。その時に理鶯に助けてもらったなぁ…』
理鶯「そうだな…も弱っているのに小官の料理も一口だけ食べて、安全かどうかを確かめてから蓮琉に食わせてたな」
懐かしいなと言いながら酒を呑む