第1章 リヴァイ兵長
「あの、ハンジさん…それで、何でここに…」
「あぁっ!そうだった!忘れてた。」
ハンジはてへへと可愛くもないおどけた顔を見せると、ナナを見据えてゆっくりと口を開いた。
「…前にナナのことをリヴァイに話したんだよ。そしたらさぁリヴァイ、結構ナナのこと気に入っちゃったみたいで…」
「…え、は、はぁっ!?」
一気に自分の顔が紅くなるのが嫌でも分かる。
ナナはハンジのそのひとことで体温が急上昇したような感覚に堕ち、掠れてはいるが、大きな驚きの声を辺りに響かせた。
幸い起きたものはいなかったが、ナナはそんな場合ではなかった。
「…ちょ、ハンジさん、…何勝手に…」
「あはは、ごめんごめーん。ちょっとした休憩の時にさぁ、何でか知らないけどリヴァイ、気が立ってたんだよね…」
「…?」
ハンジはよく少しとんだ話をする。
聞いてる方にしては重要な部分を抜いて喋っているのだから全く内容が理解できない。
「それで何か面白い事話せっていわれちゃってね。ナナの事をちょっと話題に出してみたんだ。そしたらリヴァイ、ききいっちゃって…」