第1章 リヴァイ兵長
「……リ、リヴァイ兵、長…?」
「……………」
そこには、リヴァイ兵長が、いた。
ナナははじめリヴァイの顔を確認した時少しだけほっとした。
助けに来てくれたんだと安堵の息を漏らした。
しかし暗がりの中、月明かりによって見えた表情はまるで…欲にまみれた獸のような顔をしていた。
いつものように無表情ではあるが、その顔の奥に隠されたモノを完全には隠蔽できておらず瞳にちらちらと出てきては消えていた。
そんな瞳にナナは引き込まれるようにして数秒見つめていたがギシ、というベッドのスプリング音で我に返りバッと目を反らした。
その反応が気にくわなかったのか、リヴァイはよりいっそう眉間のシワを濃くすると股がる態勢になってベッドの上に上がって来て、ナナを見下ろした。