第2章 誠凛高校
『んー、髪…前だけ上げようかなぁ』
かきあげの左右分けってかっこよくない?そうと決まればだよね、ギャップも狙わなきゃだし
『…いつもよりセッティング遅いなぁ』
髪を整えて、少し毛先をいじる。前はこんなに遅くなかったのに
ス「紺月さん、準備出来ました!現場入りお願いします!」
『あ、はぁい。ありがとうございます、よろしくお願いします』
ス「あ、現場まで案内します!実は今日色んな撮影で使ってて、スタジオ遠いんですよ」
『はぁい、お願いしまぁす。新人スタッフさん?前の撮影居なかったよね』
ス「はいっ、私今日から実際にアシストさせてもらえるようになって!紺月さんが最初ってびっくりですよ~」
『そっかぁ、仕事大変だと思うけどちゃんと健康気を付けてねぇ。可愛いんだから』
ス「そ、そんなっ!とんでもないですっ!!」
『えぇ、本当だよぉ?女の子って皆可愛くて尊敬できるもん』
クスクスと笑いながら、スタジオに入ると監督がいた
『案内ありがとうね、じゃぁね』
そう声をかけると嬉しそうに頭を下げて、スタジオの後ろへと下がっていった。うん、可愛い
監「あぁ、紺月君久しぶり。前回の表紙撮影以来だね」
『あ、お久しぶりです!今回もお願いしまぁす』
監「あっはは、相変わらずほのぼのした話し方で可愛いねぇ」
『えへ、ありがとうございますっ』
監督とのんびり話していると、スタジオの入り口が少し騒がしくなった
「あぁ、紺月く~ん!今日も可愛い顔してんねぇ、撮影終わったら一緒に帰んない?」
うっわぁ……クソチャラ男じゃん、涼太以外受け付けてないんだけど
『…スゥ、初めまして神峰さん今日はよろしくお願いします』
出来るだけ穏やかにニコリと微笑みかける
神峰「うっわ、めっちゃ可愛いじゃん。ねぇ男でも俺は構わないからさ、今夜どう?」
『あはは、ご冗談をー、僕まだ学生ですよぉ?丁重にお断りさせていただきますねぇ』
くっそ、ヘドが出そうだ。さっさと終らせて帰りた……そんな心が読まれたのか、監督が撮影開始の合図を出した