第1章 轟君
そして私の家に着いてからは、2人でちょっと豪華な夜ご飯を作って、一緒に食べて、轟君にお風呂に入ってもらって…る最中。
『…布団って、敷いた方がいいのかな?』
クローゼットを開けて、お客さん用の布団に手をかけたところでそう呟く。
私のベッドで2人で…
って、キャー!!!
何を考えてるの私!
そ、そりゃあ、付き合ってるんだもん。
キスとかハグはしたことあるよ?(私から)
で、でででも、やっぱり、一緒に寝るのはさすがに嫌かな…
「何、してるんだ?」
『へ?きゃあ!と、とと轟君!?
え、えっと、布団、敷こうかなって…』
「そうか、手伝う」
で、ですよねー…
良かった、一緒に寝る?とか言わなくて!
1人で勝手に少し落ち込みながらも、轟君の手際の良さに見惚れて、
『轟君の家、畳だもんね!布団のがやっぱ落ち着くの?』
そう尋ねれば、
「焦凍」
『と、轟君?』
「これからは苗字じゃなくて、名前で呼べよ。
あとそれから、布団のが落ち着く」
……!?