第1章 轟君
明日は、付き合って1年なのに…
そう心の中で呟いてシュンとしていれば、急に轟君の片手が私の頬に添えられて、上を向かされる。
『…え?』
「覚悟は出来ている、という事であってるか?」
『覚悟?…え?うん!
明日で付き合って1年だよ!2年目の私もよろしくね!』
「はぁ、ゆき…知らないからな」
知らないって…
明らかに私の方が轟君のこと大好きなんだから、これからも一緒に居たいに決まってるのに!
も、もしかして…
『わ、私が轟君のこと好きってこと、伝わってない!?』
「大丈夫だ伝わりすぎてる」
そ、即答!!
『よ、良かった?あ!予鈴!
じゃあ、また明日、一緒に帰ろうね!』
「あぁ…」
そう手を大きく振って、るんるんで駆け出す。
良かった!記念日、一緒に居られる…!