第1章 轟君
私の大好きな彼氏である轟君。
とにかく凄い。
何もかもがハイスペック!
カッコ良くて強くて努力家で、おまけに頭も良いの。
そんな彼に中学生の時に猛アタックして、なんとかやっと付き合えて…
なんて喜びに浸る間もなく、彼が雄英高校へ進学希望だと知って…
猛勉強して、轟君にも特訓に付き合ってもらって、
なんとか同じ高校に進学出来たっていうのに…!
『な、なんでっ!私、頑張ったのに…なんで違うクラスなの!?』
そう、A組のクラス前の廊下で彼の両腕を掴む。
「なんでって言われてもな…もう入学して結構経つだろ」
『うぅ…轟君、好きだよー、大好きなのにーー』
そう私が項垂れると、頭の上に?を浮かべながらこちらを見つめてくる彼。
カッコ良い…じゃなくてっ!
「おかしな奴だな。用事ってそれか?」
『だ、だって、同じクラスだったら、もっと側に…
って、そう!用事!明日、私の家に泊まりに来ませんか!?』
「……」
な、なに?この沈黙…!
『だ、だめ…?』
そう恐る恐る覗き込めば、ため息をつかれてしまう。
そ、そんなぁ…