第1章 轟君
ドサっと彼女に苦しくならない程度に体重を預けて息を整えれば、首と背中に回されていた彼女の腕がさらに俺を引き寄せる。
『どうし…』
「気持ち、よかった…」
!!
ぽつりとそう呟くゆき。
必然的にそれは俺の耳元での発声になったわけで、情けない程に嬉しさで動揺してしまう。
「ぁ、ん…」
彼女のナカから、熱がまだ治まりきっていない自身を取り出して、彼女の額に唇を寄せる。
流石に今日はこれで寝るか…
漏れ出た彼女の甘い声に、フッと軽く笑えば顔を両手で隠して俺とは反対側を向いてしまう。
ティッシュで事後処理をした後に、
『いつもの潔さはどこへ行ったんだ?』
と、問いながら、背を向ける彼女の首下に腕を通し、もう片方の腕でお腹を抱き寄せる。
ゆきの香りだ。
きゅっと丸くなった彼女は、胸に手を当てて落ち着かない様子だが、
「ね、寝る前くらい、静かだもん」
『それもそうだな。
…好きだ。これからもずっと』
「…!」