第1章 轟君
焦凍side
大丈夫と言いながらも、明らかに強張っているゆき。
正直、ここまで来て引き返せるほどの余裕は俺は持ち合わせていない。
最大限、安心させようと微笑んで見せれば、目を細めて俺に身を委ねてくれる彼女が、本当に愛おしくて思わず頬に手を添える。
あぁ、好きだ。
こいつが欲しい。
自身を彼女のナカにさらに最後まで推し進めれば、きゅうっと熱いものに締め付けられて、吐息が漏れる。
無理してないかと問えば、俺の好きにして欲しいと言う。
本心だと分かってしまうから、心の奥が締め付けられる。
『そうか』
なんて平然と口を開くが、身体は彼女の可愛さにどうにかなりそうだった。
腰を徐々に動かせば、その度に全身に回る甘い刺激と彼女の甘い声が耳に届き、理性がどんどん崩れ落ちていく。
「んっ、ぁっ、しょう、とっ…!」
彼女の顔の横にある俺の腕に、手を伸ばす彼女。
意図を汲み取って恋人繋ぎにしてシーツに縫いとめる。
『悪い、もう優しくしてやれねぇ』