第1章 轟君
優しく重なるだけのキスに目を細めれば、片頬に掌を添えられておでこをくっつけられる。
「はぁ…優しく、出来なかったらごめんな」
『ふふっ…焦凍なら、平気、だよ?』
「ゆきだから、優しく、したいんだよ」
『!…きょ、今日の焦凍、心臓に、悪いっ!』
薄暗いこの部屋でも、きっと私が赤面した事はバレているに違いない。
飛び出そうななる心臓にどぎまぎしていれば、彼が上体を起こしてカチャと音を立てる。
?
……っ!?
ベルトを外す音だと気付いて、目を見開けば、一緒に下げられたズボンと下着の中から、大きくなっているであろうそれが目に映ってしまった。
彼と視線が合えば、
「そんなに見るな」
そう薄く笑いながら言われてしまい、恥ずかしさで目を逸らす。
ビニールを破く音にチラリと横目で見れば、初めて見る避妊具にこれから起こることを想像してしまう。
あんな大きいの、入らないっ…!
『んっ…』