第7章 疑惑
ジ:「あまり、自分を買い被るな。てめぇの代わりなんざ、また、バーボン辺りが見つけて来る」
『それは、どうかしら?』
ジ:「ああ?」
『忘れたの?バーボンと私の関係を?』
ジンは私が言いたいことを察したようだ。
ジ:「バーボンも裏切るなら、あいつも処刑するまでだ」
『そんなことして良いの?RUMが許すかしら?』
ジ:「何が言いたい?」
『貴方、言っていたじゃない?RUMは、私を連れてきたバーボンも高く評価しているって』
ジ:「チッ」
ジンは、私が言いたい事の全てを察したようだ。
不機嫌さと怒りが入り混じった表情を浮かべている。
ジ:「命拾いしたと思うなよ?てめぇの答え次第じゃ、処刑だ。バーボン諸共な」
『どういうこと?』
ジ:「一度しか聞かねぇ。てめぇが抹殺したターゲット、どこに隠しやがった?」
私は、この窮地を脱したと高を括っていたが、どうやら違ったようだ。
ジンの問いかけに、私は背筋が凍りつく。
(なぜ、忘れていたの?この男は、言ってたじゃない!「俺はまだ認めてねぇことをわすれるな」
って。そして、その時に死体偽装がバレるかもしれないって、私自身も危機感を持ったのに)
私は、さらに迫った窮地を脱すべく再度、考えを巡らせ始めた。
ジ:「おい。答えられねぇのか?」
『答えるも何も、隠してなんかいないわ』
ジ:「そうか。じゃあ、なぜ一体も死体が見つからないんだ?」
『どういう意味?』