第6章 コードネーム
ジ:「余計な詮索はするなよ…」
アジトに着いた私たちは、そこで待ち構えていたジンの冷えた視線で出迎えられた。
その様子に警戒心を持ちながら、私はジンを見据える。
ジ:「レーア。お前には異例だが、コードネームを与えることになった」
『え?どういう…』
私は予想外のジンの言葉に、小さく驚きの声をあげる。
ジ:「チッ。詮索するなと言っただろう?」
私の反応にさらに不機嫌さを増した返事をジンはしてくる。
その様子に私は、口を閉じざるを得なかった。
しかし、零さんがその様子を見かねて横から割って入る。
降:「貴方の機嫌は良いので、理由を教えてもらえますか?それにコードネームを与えるかを決めているのは、貴方ではないでしょう?」
ジ:「バーボン…てめぇ」
私に向けられていたジンの冷たい視線が、怒気を増して零さんに向けられる。
零さんは怯まずに、その視線を受け止めている。根負けしたのは、ジンの方だった。
ジ:「RUMがそいつの働きに、いたく感心しているんだよ。そいつを連れて来たてめぇもな」
降:「ほぅ…それじゃあ、彼女は大出世というわけですね?」
ジ:「どうとでも言え…」
ジンが不機嫌な理由は、私の異例の出世と零さんも評価されたことが原因のようだ。
ジンは怒気をそのままに、零さんに向けていた視線を私へ戻す。