第6章 コードネーム
降:「そんなに怒らないで。ひとまず、明日からの作戦を立てよう?」
揶揄い過ぎて不機嫌になった私に気づいた零さんは、すぐに話題を変える。
私は「作戦」という言葉に反応して、すぐに口を開いた。
私の性格を零さんに把握されているようで、これはこれで何とも言えない気持ちになる。
『良いけど、このまま?』
降:「僕は構わないよ」
私の耳元で甘く囁く零さん。「やはり、懲りていない」と私は思い、腰に回された彼の手の甲を思いっきり抓って見せた。
降:「ごめん…やり過ぎた…」
『私も…』
素直に謝る彼。私もやり過ぎたと思い、抓っていた手の甲を優しく撫でた。
降:「優しいのは、君もだよ?」
そう言って、零さんはベッドの下に落ちていた私のブラウスを羽織らせてくれた。
降:「隣で待っているから」
零さんはそれだけを告げると、先にベッドルームを出て行ったのだった。