第5章 潜入 ★
シ:「ミア。少し良いかな?」
『ボス!』
全体会議を終えた私は、ボスに声をかけられる。
シ:「素敵なPrinzと…」
『ボス!違います!!』
予想通りのボスの言葉に私は、苦笑しながらその言葉を遮る。
『私もお話したいことがありますので、場所を変えませんか?』
シ:「ああ、構わんよ。ただ…」
ボスは会議室を出ようとした私の肩を掴んで、会議室の後方へ目を向けさせる。
シ:「彼にも、話してはいるのか?」
ボスが言う彼とは、赤井さんのことだ。赤井さんは彼のボスであるジェイムズさんと話しており、こちらには気づいていていないようだ。
私は昨日のことを再度思い出し、赤井さんに気づかれていないことに少し安堵する。
シ:「昨日も君のことを気にしていたようだし、話しておくべきでは?」
『やはりボスの洞察力には敵わない』と私は思いながら、ボスにだけ聞こえる声で告げる。
『それも含めて、お話します』
そう言って私は、私の肩を掴んでいたボスの手をゆっくりと離し、会議室を後にした。